システム黎明期                               2006年9月8日Up

  太陽光発電   「ZBG NEWS 9,10月号  1993年 9月12日発行」 から

今から10年以上も前のアマチュア無線クラブの広報誌に載せた記事のリニューアル版です。
基本的に現在のシステムと何ら変わっている部分はありません。
文中「高級外車並み」とか「国産高級車並み」とかいう言葉がでてきますが当時どれくらいを
想定していたかは不明ですのであまり深くは追求しないで下さい。

発電所で作られた電気が家庭に来るまでには実に様々な設備を通ります。
電力の流れを潮流といいます。一般家庭に電力が送られてそれを消費する場合、
潮流は配電線→柱上変圧器→引込み線→家庭という流れをするわけですが、
これから紹介する太陽光発電システムは電力が余った場合には電力会社の方へと
電力が向かいます。このように分散型電源から電力会社の系統へと電力を逆に送ることを
専門用語で「逆潮流あり」という言葉を使います。

昨年の7月、太陽光発電システムを自宅に設置し、自分で電力を補い、余った電気を
電力会社に売電する、すなわち逆潮流ありのシステムを日本で初めて竣工させた方がいます。
S電機で太陽光発電の研究開発を20年もされていたKさんです。

その試作品を紹介しましょう。
第1図がその系統図です。
引き込み線から取引用メータに入りますが通常の買電用にもうひとつ直列に売電用の
メータが付きます。停電作業等の保守時に系統と切り離す為の屋外に設けた外部交流
スイッチを経て屋内に入ります。


▲第1図

過電流と漏電による引き外し機能を持つブレーカを経て、一般家庭と同じ分岐回路を
いくつか持つ分電盤の回路と、連系保護装置を介した太陽電池出力を交流に変換した
回路とが並列に接続されます。

システム各装置の詳細の説明は省きますがこれらの装置は電力会社と個人の共同研究
段階の試作タイプであり、はっきり言って安くありません。
このシステムで高級外車並みということです。編集子の試算では、現段階で設置した場合、
設備費用は設備が老朽化して使用できなくなる年数まで使って、それまでに売電で得た額に
ほぼ等しいかと思われます。

ただ最近の法的な整備とシステム機器の低コスト化は順調に進んでいます。
家電メーカもそのうち高効率、安価なシステムを発売するようになるかもしれません。
ソーラー電卓と同じようにソーラーエアコンも発売されました。
ただしお値段のほうはといえば国産高級車並みといったところです。

これらの設備により家庭で電気代が必要なくなり、早い時期に設備費用が回収できる
という段階ではありませんが、無公害のクリーンなエネルギーとして各家庭への普及は
非常に意義のあるものだといえます。

逆潮流ありのシステムを導入している個人はまだ日本では少ないですが、逆潮流なしで
太陽電池を使用し、バッテリーを併用しての利用者は数多くいます。
編集子もそのうち宝くじにでも当たったらこんなこともやってみたいなー、と思っている
ところですが・・・いつになることやら・・・2001年、21世紀には100万円程度になるそうですから
そこら辺で家を建てよう、建替えようと思ってられる方はご一考を


・・・・今読み返してみると13年前と基本的な部分は変わっていませんが法的な整備、一般家庭の
手続きの簡略化、個別部品の性能の向上が見られるようです。
連系保護装置、インバータ部分は手で持てる程度に一体化され「パワーコンディショナ」などの名称で
呼ばれるようになっています。ホーム分電盤もすべてのブレーカが内蔵された太陽光発電システム
専用のものも標準で売り出されています。
21世紀には100万円程度と書いてありますがこちらはまだ達成されていないようです。ただしパネルの
小型化、高効率化が進みましたので屋根への負担、周辺工事を含めて総合的に見た単位発電電力量当りの
価格は確実に下がっていることは確かです。